肝心なこと the name of the game 2020 5 6
私は、不思議に思っていたことがあります。
それは、新型コロナウイルス患者の重症者に男性が多いということを聞いたからです。
なぜ、男女差が出てしまうのか不思議でした。
「やはり、女性のほうが生命力が強いのか」と思考停止になっていました。
私は、今年の2月8日に、新型コロナウイルス対策として、
手洗いが重要であると強調しましたが、
あることについては、あえて書かなかったのです。
「新型コロナウイルス危機で、さすがに喫煙する人はいないだろう」と思ったからです。
当時、新型コロナウイルスが肺炎を引き起こすことは、
多くの人に知られていたことであり、
喫煙が肺機能の低下を招くことも周知の事実なので、
さすがに「命懸け」で喫煙する人はいないと勝手に思い込んだのです。
ところが、2020年5月5日の東洋経済ONLINEには、このような記事がありました。
「コロナ『重症患者』を実際に治療した医師の証言」
喫煙歴については、重症化因子の1つと疑っている。
全59人の患者のうち、喫煙歴がある人は21人。
このうち6人が重症化して、人工呼吸器を装着した(約30%)。
一方、喫煙歴なしの患者は38人、
このうち4人が人工呼吸器の装着となった(約10%)。
私は、新型コロナの重症化の要因を特定するには、
一つの施設のデータだけではなく、
疫学的統計(多施設の症例数から解析する)が重要という立場。
ただし、重症化因子として、狭心症や心筋梗塞など、
循環系(心臓)の問題が当初から指摘されていたが、
この循環器疾患は、タバコの影響が非常に大きい。
まだ日本ではあまり報告されていないが、
血管の内皮細胞が障害される症状について、コロナとタバコとの関係はあるだろう。
もともと喫煙による肺気腫(COPD)などで、肺の状態が悪かった人に肺炎が起こると、
早期に低酸素血症になるし、人工呼吸器の装着が必要になった患者もいた。
それにタバコを吸っていると、肺の局所の免疫力が弱くなるから、
肺の中に入ったウイルスがなかなか排除されず、悪化する恐れはある。
(引用、以上)
2020年4月16日の東洋経済ONLINEにも、このような記事がありました。
「喫煙室でタバコ吸う人があまりに危なすぎる訳」
喫煙室は狭く、喫煙者が密集し、深く息を吐き出す、
いわゆる「3密」の条件が形成されている。
喫煙室や喫煙所での感染リスクにかかわらず、
そもそもタバコを吸う行為自体が感染リスクを高める。
タバコで吸い込む有害物質は、
気道や呼吸器の粘膜バリアや細胞組織などを破壊し、
喫煙者を感染症にかかりやすくする。
さらに、身体の免疫系の応答にも悪影響を及ぼすことが知られ、
受動喫煙でも同じような悪影響がある。
(引用、以上)